【香川】犯罪や非行を犯した人の立ち直りを地域で支援する保護司。高松市で食肉加工会社を経営する傍ら、昨夏から保護司として活動する高松市の山本聖二さん(41)は、自身も10代のときに保護観察を受けた経験から、相談者と同じ目線でのアドバイスを続けている。
――保護司を始めたきっかけを教えてください
10代のときは非行を繰り返し、保護観察処分を受けていた時期もありました。
変わるきっかけは17歳で、父が初めて留置場に面会に来たときでした。父は怒るときは人目も気にせず怒る人です。怒鳴られることを覚悟していると「体、大丈夫か。調子悪くないか。元気か」と予想とは全く逆の言葉をかけられました。とっくに見捨てられていると思っていたので、思わず涙があふれ、自分自身を見つめ直すようになりました。
20歳の頃に食肉関係の仕事に就きました。様々な人のお世話になり、本当に人に恵まれています。
恩返しするにはどうすればいいか。10代や20代前半では、会社や近所の人など、周囲にたくさん迷惑をかけてきました。一人の人間として、「人のために何かしたい」と思うようになりました。
今の会社を35歳で叔父から引き継ぐと、犯罪や非行をした人を雇用する「協力雇用主」に登録しました。個人としても誰かを助けたいとの思いが強くなり、昨年、家庭裁判所へ相談に行きました。
――家庭裁判所の反応はどうでしたか
保護司は非常勤の国家公務員…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル